昔からよく本を読んでいた。
十代後半の頃に、一番のお気に入りだった小説家は、太宰治だと思う。
やはり有名な作品だと「走れメロス」だと思うが、太宰治の作品を数多く読んでいると、あの作品は何か彼の路線から外れているように感じられるし、あの作品では太宰治の良さは分からないと思う。
どちらかと言えば、全般的に「人間失格」のような作品が多いし、常に死を意識している感覚が伝わってくる。そんな感情を持ちながら、流れる日々の常が彼の作品の良さだと思う。
異色の作品だと、「お伽草紙」という作品がある。実は私はあの作品が一番好きだ。
昔話を基に書かれているこの作品は、彼のあまり見せないユーモアがたくさん詰まっているように思う。
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